『西洋絵画の見方がわかる世界史入門』メモ

①普遍と特殊

普遍(皆と同じ)…融和の原理

特殊(他と違う)…対立の原理

ヨーロッパの歴史は、「普遍と特殊」という矛盾を原動力として展開し、絵画はこの矛盾の表象として変遷していく。

②古典的な価値観(古典主義)

「自然の模倣」…神の作ったもの、人の作ったもの。古代では、芸術の題材として、人間の手が加わっていない裸体や風景が好まれ、彫刻の分野が好まれた。目に見える裸体や風景を再現しつつ(写実的な美)、その背後にある真理に至ろうとする(理想的な美)。

(1)目的

再現

・「目に見えるもの」を描く→「写実的な美」が基本。美の「規範」→遠近法・明暗法。

             →「理想的な美(普遍的な美)」を追求。美の「序列」→高貴な主題(宗教画・歴史画)と卑俗な主題(風俗画・静物画)。

(2)立場

「理性」で美をとらえる立場、ゆえに「素描」を重視した。

(3)特徴

安定・静謐⇔ロマン主義は、「劇的・動的」(古典主義の「規範・序列」を否定し、絵画の「自由・平等」を主張。「現実」「特殊」「感性」「彩色」を優位に置く。)


③芸術と経済

ルネサンス…イタリア(国家はなく、地域)で、商工業者たちが、芸術に必要な「自由」と「カネ」を用意する。当時のイタリアは、商工業者によって自治が行われる都市国家が形成され、自由な空気があった。当時のイタリアには、外界との交易で裕福になった富豪がたく,,さんおり、パトロンとなる(フィレンツェのメディチ家など)。

<<芸術の発展は、経済の発展を前提とする(自由とカネが必要)>>

④直線と曲線

直線…一般的に男性的な印象。

曲線…一般的に女性的な印象。

ロココ~装飾品として用いられた貝殻状の人造石である「ロカイユ」に由来。ロココ様式の家具は、ロカイユで装飾されたものが多い。ロココでは、ピンクが多用される。ポンパドゥールピンクは、白を少し混ぜた柔らかいピンク。ロココの主題は、「恋話」。ロココの画家として、ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール。

⑤理性と感性

「理性」で美をとらえる…「普遍(誰にとっても同じ美)」と結びつく

「感性」で美をとらえる…「特殊(人によって異なる美)」と結びつく

⑥理想と現実

理想…美・明・幸福

現実…醜・暗・悲惨

⑦素描と彩色

「素描」(線)重視…[理性」で美を捉える。「普遍(誰にとっても同じ美)」を求める立場。

古典主義。

「彩色」(色)重視…「感性」で美を捉える。「特殊(人によって異なる美)」を求める立場。

ロマン主義。

⑧近代的な価値観(近代絵画)

(1)目的

「表現ー目に見えないもの」を描く。画家の「感情」が反映されている。

(2)目的

「意義の模索」

(A)既存の絵画に対する差別化(絵画における「革新」を模索する)

(B)周囲の芸術に対する差別化(絵画における「固有」を探究する)

    (a)「平面」の要素→キュビスム

    (b)「彩色」の要素→フォーヴィスム

⑨芸術と政治

「芸術のための芸術」…美を目的とする芸術。

「人生のための芸術」…社会の要求に応えることを目的とする芸術。

➉人為と自然

人為…人間としての可能性を追求する立場。政治と経済の世界。

自然…生物としての自然性を追求する立場


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